早起きは三文の徳

早起きは三文の徳

新型コロナウイルスの感染拡大予防として、外出自粛、テレワーク勤務が続いています。
子どもたちは短縮授業や休校、大人はテレワークとなり、つい夜更かしをしたくもなるかもしれません。毎日同じ時間に起きて、同じ時間に眠るといった、これまでルーティンとして行ってきたことができなくなると、体内時計の乱れや睡眠不足、活力の低下、うつ気分など心身の不調が現れやすくなります。

Contents

早寝・早起きの重要さ

生活リズムを整える手段として「早寝・早起き」が大切です。
【早起きは三文の徳】ということわざにもあるように、昔から言い伝えられている言葉ですが、これは道徳的な意味からではなく、生物学的根拠があるからといわれています。

朝の光で体内時計をリセット・セロトニン分泌促進

ヒトの脳内には体内時計があり、朝の光(日光)をキャッチして、体内時計の働き(睡眠、体温、ホルモンの分泌など)をコントロールしています。
朝の光には、心を穏やかに保つ働きのある神経伝達物質「セロトニン」の活動を高める働きがあります。セロトニンとは、体内に存在する物質の一つで、神経の安定や安心感、平常心、頭の回転をよくして直感力を上げるなど、脳を活発に働かせる鍵となる脳内物質です。思考や記憶、言語など人間特有の高度な活動を司る部分をつなげる、いわば“人間らしさ”を担う大事な神経系です。しかし、セロトニンが不足してしまうと、慢性的ストレスや疲労、イライラ感、向上心の低下、うつ症状、不眠といった症状がみられてしまいます。
心身を健康に保つためにも、起床後(なるべく30分以内)、朝の光を浴びて生活をスタートさせるといった規則正しい生活を送ることが重要です。

夜寝る前のスマホ利用は控えよう

早起きをするためには、夜更かしをしないことが前提となります。
ヒトにとって睡眠はとても大切なことで寝不足が続くと、些細なことでイライラしてしまったり、気分が晴れなかったりするように、脳の機能も低下してしまします。
夜寝る前にスマートフォンなどのブルーライトを浴びてしまうと、「睡眠ホルモン」とも呼ばれている「メラトニン」の分泌が抑制され、眠くなくなると考えられています。
メラトニンは、体内時計に働きかけ、覚醒と睡眠を切り替えて、自然な眠りを誘う作用がありますが、その他に抗酸化作用によって細胞の新陳代謝の促進や、疲れを取ってくれるなど、病気の予防に様々な効果を持つと考えられており、注目されているホルモンです。

まずは、寝る前に意識してみてください

早起きをするために「明日は朝〇時に起きるぞ」と意識することから始めてみてください。
にわかには信じがたいこの方法ですが、研究によると「不眠症や昼夜逆転生活のように睡眠リズムが極端に崩れている人を除けば、ほとんどの人が自己覚醒(目覚まし時計などの外的手段に頼らず自発的に目覚めること)できるようになる」といいます。

少し早起きするだけで、仕事も勉強も家事も今よりずっと効率よく行えるようになるはずです。また、規則正しい生活リズムを送ることでヒト本来の能力を最も発揮できるようになるかもしれません。ぜひ今日から、普段の起床時間の30分〜1時間ほど早く起きて生活してみてはいかがでしょうか?

(参考)
(1)東京都生涯学習情報
https://www.syougai.metro.tokyo.lg.jp/rhythm_importance.html#colum
(2)武田薬品工業「体内時計を調節するホルモン、メラトニン」
https://www.tainaidokei.jp/mechanism/3_3.html
(3)日経ビジネス「すっきり目覚め、作業効率が上がる自己覚醒方法」
https://business.nikkei.com/atcl/skillup/15/111700008/030200022/?P=1
(4)オムロン「体内時計に影響する「ブルーライト」」
https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/topics/152.html

BY MK