中国人の健康法

中国人の健康法

私は中国(天津市)に3年ほど滞在していたことがあります。
緯度は仙台・盛岡あたりと同じで、真冬は極寒になります。今年1月の最低気温は-13 ℃程で、北京と天津全域を流れる川(名称:海河)の一部が凍り、その上でスケートやソリなどをして遊ぶ人がいるくらいです。しかし、夏は日本と同じように蒸し暑い猛暑日が続くという気候変動が激しい土地です。このような環境下でいかに病気にならず、健康に暮らしているのか、私たちが参考にするべき生活のヒントがあるのではないでしょうか。

中医学の考え方

中医学とは2000年以上の歴史を持つ中国伝統医学のことです。
中医学では人の体は気(き)・血(けつ)・水(すい)の3つで構成されていると考えられていて、これら3つの要素が体内をうまく巡ることによって健康が維持されるといわれています。中医学では冷たい食べ物や飲み物は「脾(ひ)臓と膵臓(中医学で考える消化吸収機能)」を弱めると考えます。「脾(ひ)」が弱まると食べものをうまくエネルギーとして全身に運ぶことができず、それによる内臓機能の衰え、気力や体力の停滞、体に老廃物が溜まる・・・という状況を引き起こしてしまう可能性があります。
反対に、体を温めると、胃腸の働きが活発になり、食べたものがしっかりとエネルギーとして全身へ運ばれ、結果、代謝が上がり老廃物を溜め込みにくくなります。

中国人は冷えた食べ物・飲み物を嫌う

これはもちろん、中国人全員に当てはまることではありませんが、日本人と比べて、中国人は冷たい食べ物・飲み物をあまり取らないイメージがあります
例えば、レストランに入るとまず常温のお水が提供され、ビールを注文する際も冷えたものが欲しい場合は、必ず“冷たい”ビールを注文しないと常温のビールが出てくる可能性が高くなります。
また、真夏に子供をベビーカーに乗せ、素足で外出させた際に、すれ違う人ほぼ全員(主に中年〜高齢女性)に「子どもに靴下を履かせなさい」と言われたことがあります。これに対し、「なぜ?」と聞き返したことはありませんが、頭寒足熱ということわざがあるように、これは共通して体を冷やさないような生活様式・考え方が確立されているからだと思います。

これから夏に向けて、冷たい飲み物や食べ物をとる機会が増えていくと思いますが、とり
過ぎには十分気を付け、なるべく体に負担の少ない“温かい”物をとるように心掛けてはい
かがでしょうか。

(参考)
漢方館 https://kanpo-kan.com/index.html
日本消化器外科学会 https://www.jsgs.or.jp/index.php
クラシエ https://www.kracie.co.jp/kampo/kampofullife/basic_kampo/?p=921

BY MK